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アイテムプラス


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茨城県石岡市立南小学校 体系的に学力向上を図る

 今回はアイテム算数導入2年目、3年生から6年生まで学校として導入いただいている石岡市立南小学校様のご紹介です。
 「思考力、表現力の向上」をめざし、高学年では教科担任制を導入されるなど、特色ある取り組みをされています。青木光一校長先生からは主に「授業改善」について、また6年生の算数担当である金子聡先生には、各学年でのアイテムの取り組み方など具体的な活用方法を伺いました。

聞き手: NPO次世代教育推進機構 齊藤宏子

青木光一校長先生にお伺いしました

思考力・表現力つけるための「授業改善」

 本校は平成24、25年度の2年間石岡市教育研究会の教育研究指定を受け、研究・実践を行いました。それ以前にも、算数研修や理科教育の指定を受けるなど様々な研修を進めてきました。私自身は昨年度本校に赴任してきましたが、専門が算数・数学だということもあり、さらなる学力の向上を目標にこの2年間は算数指導に焦点を当てています。

  その中で、最も力を入れていることは、やはり「授業改善」です。授業が良くならなければ、子どもたちの力は付かない。その中でも「授業研究」を核とした、研修・実践に力を入れています。本校では年間30コマ以上の授業研究を行っています。若手の中には2回、3回と授業研究を行う職員もいますので、授業研究の数はかなり多い方ではないかと思います。授業は通常、問題把握、自力解決、練り上げ、まとめ、適用練習。この5段階を45分の中で行います。本校では若手の先生も多く、なかなか授業力を付けることが難しいため、45分間通して練り上げの授業研究を行います。まず練り上げに時間をかけた授業研究を行い、何度も協議をし、指導力を付けていきます。力がついてきたら45分の中で、5段階をおこなうという考え方で授業研究を行っています。

  表現力・思考力というものは、授業の中の5段階、全てにおいて必要だと思います。自力解決にも表現力・思考力は必要ですし、その力が付いてこないと、練り上げ自体がうまくいかないところもあります。教育の現場では、教師の指導力と比例して表現力・思考力を培う場を授業の中でつくり、子どもたちにその力が付いていくのではないかと考えています。練り上げの中で一番難しいのは、子どもたちの発言、思考をどのようにすくい上げ、まとめへとつなげていくかだと思います。練り上げの方法を教師が把握した上で、授業に臨むという研修が必要ですね。

教科担任制の導入

 本校では、高学年において教科担任制を導入しています。全く経験がないことでしたから、導入までは大変でした。職員の不安が多かったため、時間をかけて説得しながら導入したという経緯です。悪い意味ではなく良い意味で、職員には全教科に対して担任が責任を負いたいという思いが強くあります。そのように責任感の強い先生がたと一緒に導入を進めることが出来て良かったと思いますね。私は本校の前は、つくば市におりました。つくば市は小中一貫教育を実践していますが、高学年から教科担任制を導入しています。教科担任制教育が非常に効果的であるということは、既に経験してきました。それぞれの先生に均等に各科目の力を高めていくことも大事ですが、専門的に勉強した先生が学年全体、(本校ですと3クラスですが)を見たほうが学力の向上を図れるのではないか。また、子どもたちにもより良い授業ができるのではないかという思いはありました。不安は多かったのですが、始めてみれば良い点は多々あります。今年度はもう問題なく毎日行ってもらっていて、各教科で良い結果が出ています。

アイテムを使うことの意味

 教科担任制の導入と共に、アイテム算数を使い始めました。ドリル教材にも良い点はありますから否定はしません。しかし本校が目指している表現力・思考力は、ドリルだけでは培われません。これは常日頃から感じていることでした。教員の経験に頼るだけでなく、体系的に子どもたちにこれらの力を付けたいという思いがあり、アイテムを導入しました。アイテムをもっと専門的に、じっくりと取り組む時間を多くとれたら、算数の楽しさやおもしろさをもっと体験できるのに、と思います。小学校なので、算数が嫌いにならない配慮は必要ですし、進め方の工夫もあります。アイテムに対しては、いろいろな思いが先生方にはあったと思います。学校として一歩踏み出すのは大変ですが、使ってみて良かったという点はたくさんあります。子どもたちが「少し面白い問題があるぞ、チャレンジしてみたい!」と思えるようなものを本校は目指しています。地域性や環境に大きくとらわれず、学力をつけるという点では目標は高く掲げ、向上心をもって指導をしたいという、本校職員の考えもあります。保護者も、学校に対して高い期待を持っている方います。その意味では、アイテムが期待に応える一つの手段、道具になるのではないかと思います。この間、保護者の方と校外の行事でお会いした際に、「教科担任制授業やアイテムの使用など、いろいろな新しい工夫をしていただいて有難いです。」ということをおっしゃっていただいて、嬉しく思いました。

齊藤: 保護者のかたには「今はこんな問題やるんだ」と一緒に楽しんでいただけたらいいなと思います。特別な地域だから、アイテムをやるということではなくて、普段の授業や宿題、どの地域でも、こういったものに取り組めるというところを分かっていただきたいと思います。算数はドリルだけではなくて、こういう問題があるのだという楽しみを感じていただけたらということはありますね。ありがとうございます。

金子 聡先生にお伺いしました

活用場面 〜授業と宿題と〜

齊藤: 今、ご家庭でも一緒に行っていますというお声もありましたが、授業や家庭学習での活用場面を教えて下さい。

 本校でアイテムを導入しているのは、3年生から6年生です。今年で2年目になりますが、1年目は、今まで使っていた計算ドリルとアイテムを併用し、アイテムの有効的な使い方を考えながら進めていきました。2年目は、教科担任制を行っている高学年はアイテム1本で、3,4年生は引き続きドリルとアイテムの2本立てで進めています。教科担任制では、宿題の出し方、授業の進め方が違ってきます。クラス担任が全てを把握しているわけではないので、アイテムに絞ったほうが使いやすかったということも理由としてあります。授業の中で使う度合い(頻度) も3,4年生とは少し違うと思います。
 5,6年生は、授業の中で学習内容の定着を図る際に、練習量を増やすためにアイテムを使っています。教科書の練習問題の後に行うことが多く、教員によって授業の中で扱う問題には差が出ます。初歩的、基本的なところでつまずいている子は、授業の中でなかなかアイテムに入れない子もいると思います。そのような場合も、授業の後、自宅学習をするときにアイテムを使っています。最初の2ページ(テーマと習得のところまで) は必ず全員やります。3ページ目以降の活用問題と発展問題のところは、進度によって、余裕のある子は進めていくという形で行っています。算数が好きな子は、活用や発展の問題が面白くてどんどん進んでいくことが多いですね。

「自主学習」の材料として

 3,4年生でも積極的にアイテムを進めています。高学年に上がる前に、基本的な練習問題を繰り返しやらせたいという思いが強いようです。ドリルと併用ですから、3,4年生での繰り返しの演習量はかなりの量だと思います。アイテムは、個人の力量によってペースを変えられる、やりたい問題ができるというところがすごく良いところです。ドリルにはない問題を求めてくる子にとって、アイテムのように活用や発展の問題があるということはすごく良いのかと思います。アイテムを楽しみにしている子もいるので、家庭学習は宿題の部分(全員がやる課題) と自主学習でやる部分の二本立てを考えています。私たちは家で行う勉強を「家庭学習」と呼び、6年生ですと60分を目標にしましょう、と子どもたちには言っています。必ずやる課題としての宿題は、大体1日15分〜20分ぐらいの内容です。ですから、残りの時間は「自主学習」となります。「自主学習」でやるもののひとつとして、アイテムを提示はしています。しかしそこは強制せず、自分のペースに合わせて進めていくということにしています。

学年の先生にゆだねる

 3,4年生の場合はドリルも併用しているので、自主性に任せているとなかなか計画的にアイテムが進められないこともあります。ですからアイテムを宿題として、何ページというように指示をしていることが多いです。5年生は、授業と宿題と自主学習と活用の場面をいろいろ混ぜて行っているようです。
 学年によって、やり方や使い方は少し変えています。必ずこのようにやる、と決めつけず、実際に教えている学年の指導者が、子どもたちの実態や力の度合いなどを見て、この学年にはこういう力が必要だと判断し、使い方を変えて取り組んでいます。
  本校では月例テストを実施していますが、そのひとつに計算力のテストがあります。6年生の場合、アイテムの欄外にある計算ドリルを繰り返し、基本的な計算問題として考え日々やっています。月例テストは範囲が指定されているので、子どもたちはアイテムの計算ドリルもテスト勉強として進める子もいます。6年生くらいになると「自主学習」としてドリルをこなすことができるのですが、3,4年生は自分で計画を立てて家で行うということがまだ難しいので、通常のドリルのほうが計算力テストの範囲を網羅する意味では取り組みやすいようです。アイテムとドリルの両方で計算練習をやり、(基礎を固めたうえで) 活用や発展問題をやりたい子はアイテムでどんどん進めてやっていくという感じです。

柔軟性を持った対応を

  特に6年生は、自主学習として、算数だけではなく、国語や理科、社会など4教科をバランスよく学習したい子も出てきます。家庭学習では基本問題の繰り返しだけではなくて、発展的な問題をやりたい子、理科や社会をやりたい子などがいます。家庭学習の中で、国語、算数の基礎に力点を置ける学年は3,4年生までで、5,6年生とは家庭学習、自主学習の捉え方にも違いが出てくるのかな、と思います。
 アイテムのチャレンジ問題は、学校で質問してくれる子もいますが、家庭でおうちの人と一緒に解いたり、お兄さん、お姉さんに聞いたという子もいますね。附随の解答解説を見て「こうやるのか」とノートに書いている子もいます。自主学習でやる場合は、自主性を伸ばしたいので、やり方についてはあまり深く関与しないようにしています。

アイテムプラスの使い方

齊藤: 南小学校では「アイテムプラス」(左図をご参照ください) をよくご活用いただいていると伺っていますが、具体的にはどのように使われていますか?

 アイテムはそれぞれ授業の中で使っているというお話をしましたが、かなり自主学習で意欲的にやってくる子も多いです。1単元が終わるまでに、アイテムの発展問題まですでに解いてしまっているという子も出てきます。そのような子には、例えば授業の中で、練習問題としてアイテムの問題をやらせたいときはアイテムプラスのプリントをパッと配って、補充問題として使っていることもあります。
 また本校では4,5,6年生で「ひまわりタイム」という算数の問題練習をする時間を、月に2時間ほど特設で取っています。月の第1週は委員会活動、第2週がクラブ活動、3週と4週が「ひまわりタイム」です。「ひまわりタイム」では、一斉に同じプリントを使います。算数の演習問題を行うという時間で、そのときに「アイテムプラス」をメインに問題演習として使うこともあります。
 授業の中で「アイテムプラス」を配るときは、その子にレベルや問題プリントを選ばせて行っています。どのプリントを選ぶかは、子どもによりますね。簡単な基礎問題Aから順にやりたいという子もいますし、難しい問題をじっくり考えたいということで、最初に活用問題があるBから取る子もいます。その子その子によって性格の違いがでますね。問題を解くのが早い子にもう少し演習の量を増やしたいときは、こちらからAを渡します。

 自分でやりたいレベル、問題を選択できる、という点がアイテムプラスの良いところだと思います。自主学習などで一度やっている子が、その時は出来なくても、もう一回アイテムプラスでその問題にチャレンジする子もいます。子どもたちはアイテムプラス(レベル別、4枚構成) のプリントの性格をよく分かっています。「どのプリントやりたい?」と聞けば、「Bプラス!」とか「今日はAかな」というように。基礎問題の復習などもありますので、アイテムとアイテムプラス、場面によっての使い分けでしょうか。両方必要なのかと思います。

南小学校にとってのアイテム

 アイテムについては他の先生がたにもお聞きしました。算数の教材としては、繰り返しドリルが定番化しているところがあります。長い期間ずっと同じようにやってきて、宿題のリズムも決まっているところがあります。導入当初、アイテムをやる、と決まったときには不安を感じていた職員も多かったと思います。使っていく中で、特に算数を得意としている児童の「もっと難しい問題をやってみたい」という学習意欲が高まってきていることを感じました。取り組むことが少し難しいと思う子も、だんだんとアイテムを進めていくことで、少しずつチャレンジしようとするような子も増えてきたと思います。じっくり思考力を育てていくという意味では、アイテムを使うことにメリットがあるなと思います。ただ、算数を苦手にしている子にとっては、難しい問題がたくさん出ていますよね。基礎・基本の反復をしっかりやりたいと考えている先生もいます。ドリルとアイテム、2つをどのように併用し、バランスよく進めていくかに関して、各学年で試行錯誤しながら進めているのかと思います。

齊藤: 今日はいいお話をお伺いできました。ありがとうございました。