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子どもたちの論理的な思考力をのばすために

白石範孝先生

●白石 範孝(しらいし・のりたか)
鹿児島県生まれ。
東京都公立小学校教諭、東京都立教育研究所研究生を経て、現在、筑波大学附属小学校教諭。
・國學院大學栃木短期大学講師
・日本国語教育学会常任理事
・全国国語授業研究会理事
・「使える授業ベーシック」研究会会長
・光村図書教科書編集委員

一文で書くことの意味










子どもが自由に書けるスペースを












子どもも先生も、見通しをもって
























「方法」を子どもに伝える

























論理的思考力をつける

















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クリックで拡大版を表示 筑波大学附属小学校教諭・白石範孝先生が「やまなし」(光村図書・6年下巻)の国語授業にお邪魔しました。「アイテム」国語・「アイテムマスター」5年、6年の著者である白石先生は、筑波大学附属小学校・6年のクラスで、今年「アイテム」国語を使用しての授業を展開されています。国語授業を、「アイテム」を主にして進めていくことのねらい、これからの国語授業に必要とされることについて、授業後に伺いました。


「アイテム」国語 6年 光村図書対応版「やまなし」(5)の授業を受けて

 

一文で書くことの意味

クリックで拡大版を表示 物語の基本構造は、中心人物がクライマックスを迎え、プラスに変容するかマイナスに変容するか、ということが書かれているわけですね。それを一文で表したら、「○○が、○○によって、どうなる話」というかたちで表現できます。その一文を書かせることで子どもたちが、「この作品の中心人物が捉えられてないな」とか、「(中心人物の)変容が捉えられてないな」とか「クライマックスを捉えられてないな」ということが浮き彫りになってくるわけです。子どもが作品をどこまで読めているかが、一文に表すことで分かるということです。そしてその一文を、クラスの中ですり合わせていきます。それによって授業が広がりもしますしね。「アイテム」の中では、物語文を「一文で書いてみる」ことを主張しようとしています。

 

子どもが自由に書けるスペースを

クリックで拡大版を表示 もうひとつ、 「アイテム」は書くスペースを広く取っています。そこにも理由があるんです。とにかく子どもというのは、「文字だけを書く」ことはあまり好きじゃないんですね。図を描いたり、楽しく、カットを入れてみたり。自分なりに工夫が出来るように、ある程度自由に子どもが出来ればいいんじゃないかな、ということですね。今日はやりませんでしたけど、足りない部分や、ここはもう少しやりたいなっていうのは、自分のノートに書かせていくんですね。

「アイテム」と平行して、ノートにとっている子もいます。アイテムに書き込んでいる子もいるし、それはそれで(個々に違って)いいと言っています。

 

子どもも先生も、見通しをもって

クリックで拡大版を表示 「アイテム」は、(クラス)全体でやる部分と、授業の中でやる部分と、授業の基盤になる部分というのを、使い分けてやらないと。全て同じパターンでやろうとしたらこれ(「アイテム」)は駄目なんですよね。それから、この「アイテム」のよさというのは、子どもが今度「『やまなし』」に入るよ」と先生に言われたときに、アイテムをぱらぱらとめくっていきますね。アイテムを見ることによって、「こんなことを、こんな風に学習するんだ」というのが子どもにも分かるんです。その中で「これは一体なんだろう」という見方をする子もいるでしょう。「あぁ、こんなことを勉強するんだ」「この部分は前の物語文でもやったかたちだな」と、子どもはそんな風にして見ていけるわけです。

クリックで拡大版を表示 指導者の方は、授業に入るときに単元の見通しを持って授業をします。でもそれは子どもの中には見えないわけですよね。毎時間、その時間にならないとわからないわけです。でも「アイテム」を使うことで、「今日はここをやるんだな」と子どもが分かり、そしてそれぞれの学習(授業)が関連付けられるようになっていけばいいなと思います。その日の学習は、そのページだけで終しまいではないんです。このページは次のページ、または別のページの土台になっているんだよと。そういう風に指導していかないといけなんじゃないかと思います。

 

「方法」を子どもに伝える

クリックで拡大版を表示 先生にとっても、「アイテム」があることによって2つのよさがあると思います。ひとつは、「何をこの時間にやればいいのか」そして「どういう繋がりになっているのか」ということが分かります。授業の中でやることが明確に記されていますから。そして「前の時間(授業)がこうだったから、これを受けてこの時間(授業)はこうなんだな」「これを受けて次の時間はこうなんだな」という繋がりが明確になるわけです。現場に喜ばれるのはそこなんですね。

 もうひとつは、指導書である「アイテムマスター」が非常に明確なことです。現場の先生方が悩むのは、例えば、要点をこどもたちにまとめさせるのに、先生は「要点をまとめなさい」と子どもに言うだけなんですよ。要点をまとめる方法を、授業で子どもたちに教えないんです。実は先生にも、方法が分からないことが多いんですよ。これは見落とされているな、と感じる点でもあるんですね。だから、そういう「方法」をこの「アイテムマスター」の中では、補っていっているんです。「アイテムマスター」を読めば、「あ、具体的な指導が出来るな」という工夫は凝らしてきたんですよ。
6年生の下巻(光村図書)に「やまなし」(宮沢賢治・著)という学習材がありますが、これは難教材で、先生方には比較的嫌がられる教材なんですね。でも、「アイテム」を見ていけば、「こういうことを、こういうように進めていけばいいんだ」というのが分かります。子どもにさせる活動、そしてそれを補う活動は「アイテムマスター」を見れば分かります。そういうことなんですよ。具体的に、「アイテム」を進めながら授業を展開していけば、「そうか、この作品はこうなんだ」「こういうつながりなっている学習活動なんだ」というのが見えてきます。そういう要素が「アイテム」にはありますね。

 

論理的思考力をつける

 色々考えてみると、今注目されている「PISA型読解力」部分の活動も大きく含んでいるな、と思いますよ。イメージと感覚だけでなく、論理的に思考しなければ出来ないという部分を「アイテム」では取り入れていると思いますね。自己表現していく、ということにも繋がっていますしね。

クリックで拡大版を表示 国語というのは、どうしてもイメージと感覚だけで捉えようとする傾向が強いんです。授業もイメージと感覚の出し合いで、まとめていくことが難しい授業になることも多いのですが、国語ほど「論理」なんですよ。ことばの世界というのは、論理で成り立っている訳ですから。その論理を、子どもたちが論理的に読んでいくということが、作品を読んでいくということだと思いますね。説明文などは見事に論理ですから。「アイテム」の説明文を見ると、それはよく出来ていると思いますよ。説明文の指導はとても難しいと言われる先生がおりますけれども、説明文は一番論理がはっきりしています。だから面白いですよ。

    → i*tem国語 光村図書対応版 について
       ( 執筆者紹介、白石先生執筆単元 他 )